
花横で観るときの鉄則は、花道に触らない、物を置かない、もちろん横切らない。その花道の上に、今日は立ってしまいました。雨の日の金丸座、やはり今日も最高でした。
🗺️ 歩いた順路を写真で見る → [より道さんぽ:旧金毘羅大芝居・金丸座ルートマップ(2026年10月)](https://happy-go-solo.com/kanamaruza-route-map-202610/)
同じ施設の他の記事 → [第三十七回 四国こんぴら歌舞伎大芝居 第一部・第二部(2024年4月)](https://happy-go-solo.com/konpira-kabuki-202404/)
金丸座ってどんなところ?
香川県琴平町にある旧金毘羅大芝居、通称「金丸座(かなまるざ)」は、天保6年(1835年)に建てられた、現存する日本最古の芝居小屋です。国の重要文化財で、毎年春には「四国こんぴら歌舞伎大芝居」が開かれています。
公演のない日は、花道や舞台、楽屋、奈落まで見学できるんです。2024年に公演を観て以来の再訪です。
今回は高松築港駅から琴電でトコトコ。琴平駅から金比羅山の長い階段へ向かい、かなり序盤で左へ(登ってないけど)。そこからの坂道が地味にきつい・・・





人のいない金丸座
着いてまず思ったのが、建物前の広場が広い!公演期間中は人と出店でいっぱいなのに、今日は誰もいなくて静か。前回は出店をのぞいているうちに幕間が終わってしまった広場です(笑)人がいないと、建物そのものの個性がよく見えます。

館内では、案内の方がガイドをしてくださいました。「15分くらいのガイドなので、途中で自由に見てもらっても構いませんよ」と言ってくださったのに、ちゃんと聞きたい派のわたし。いろいろお話をうかがっていたら、なんだかんだで長い時間お付き合いいただいてしまいました(笑)
舞台裏の面白いお話や貴重な写真も見せていただきました。オフレコ級のお話もあったので、気になった方はぜひ現地で⭕️
おひとり様のわたしのために写真まで撮ってくださって、いつもと違うおひとり様遠征にドキドキ。でも、うれしかったです。これで拝観料は大人500円。このクオリティでこの拝観料は安い!


花道に、立ってしまった
初めて花道に足を置いたときは、緊張しました。そんな神聖な場所に自分が立っていいなんて・・・なんてこった。恐れ多くて、最初の一歩をかなり躊躇。今思い返しても、立たない方がよかったかな〜と思うくらい。とか言って、このあと舞台もめっちゃ歩いたんですけど(笑)


花道からの景色は、役者さんたちがいつも見ている景色。そう思うと感動しました。
すっぽん(花道にある小さなせり)は真上から。花道のつけ根の空井戸(からいど。役者さんが出入りする仕掛け)も初めて見ました。最初は「空堀」と勘違いしていて・・・このあとお城に行く予定だったので、心がもう城に向かっていたのでしょうか(笑)



舞台に立つと、客席が一望できて圧巻。前回座ったお席にも座ってみました。『羽衣』の雀右衛門さんの宙乗り、奈落の底へおりていく染五郎さん、『沼津』の幸四郎さんと鴈治郎さんの客席おり(役者さんが客席を歩く演出)。思い出すことばかりで、「こんなとこ歩いてたのかよ〜!」ってなりました(笑)


舞台裏を歩く
楽屋と、大部屋の雨音
楽屋の階段は、どれも急でこわいくらい。2階の通路も意外と狭くて、衣装を着ていたらすれ違うのも大変そう。女形さんの楽屋が2階だったら、階段は大変じゃないのかな・・・



2階の大部屋(大勢の役者さんが一緒に使う楽屋)では、外の雨音がよく聞こえました。見学のお客さんは滞在時間が短い方が多くて、ひとりでゆっくり見られる時間がたっぷり。公演中はたくさんの役者さんがいるはずの部屋に、今は雨の音だけ。こんなに静かな時間はきっとないんだろうなと思うと、この静けさが尊くて、しんみり。何時間でもいたかったし、離れがたかった〜😭

館内では、ずらりと積まれた木の台も発見。これは、わたしが最近大好きな所作台(しょさだい。踊りの演目のときに舞台に敷く檜の台)では?!違っていたらごめんなさい(笑)

奈落から鳥屋へ
奈落(舞台の下の空間)の底におりたときは、感動。でも人がいなくて、ちょっとこわい。客席の下まで見られて、最高かよ。



ここから狭い通路を通って、鳥屋(とや。花道の突き当たり、揚幕の奥の小部屋)へ。この通路、上は客席なんです。役者さんはどのくらいのドタバタ感でここを移動するんだろう?客席に足音って聞こえるのかな?今まで気にしたことなかったけど・・・


階段をのぼって、はい、鳥屋!ここから見る花道は、信じられないくらい尊い眺めでした。揚幕からも、ちらっと覗き見。

そして驚いたのが、揚幕の「ちゃりん」という音の正体。鈴でもついているのかと思っていたら、ただのリングでした(笑)


次に観るならどの席?
2階真正面も見やすくて好き。でも芝居小屋は、やっぱり1階の平場(ひらば。1階中央の升席)がいいな。とれるものならかぶりつき(舞台の真ん前の席)に座ってみたいし、仮花道(上手側にあるもう1本の花道)の横の特別席もいいな〜💕



……と言いつつ、結局いつもの花横のドブ席(花道のすぐ横の席)を選んでそう(笑)
ガイドさんに「花道がある分、前の人の頭が気にならなくて見やすいんですよ〜」と話したら、「あ、それはわかる。役者さんの背中しか見えないけど見やすいよね」とわかってくださって、うれしかったです(笑)
まとめ
客席にも通路にも人がいない芝居小屋は、ほぼあり得ない景色。だからこそ建物の個性がよく見えて、新鮮でした。
ガイドさんが、歌舞伎にはなじみのなさそうなお客さんたちに「4月にはここで実際に歌舞伎の公演があるので、ご興味あれば」と話すと、みなさん驚いて「すごい!見てみたいね!」と。たくさんの方が観に来たら、松竹さんも「もっと公演数増やしてもええかしら?」ってならんかな(ニヤリ)
夏場は空調がないので、うちわの貸し出しもあるそう。今年のこんぴら歌舞伎には行けなかったので、今年の演目入りのうちわを手に、舞台を背景にパチリ。見学の締めくくりは、束ねられた定式幕(じょうしきまく。歌舞伎でおなじみの3色の縞の幕)でした。


次はこの経験を踏まえて、また公演を観に来たいと思います。そして、毎回登れていない金比羅山にも、いつか登りたい(笑)

