
碇を担いだ知盛が、海へ飛び込む。その瞬間に見えた足裏に、ただただ感動でした。花道横のドブ席で観た『義経千本桜』渡海屋・大物浦、やはり今日も最高でした。
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『義経千本桜』渡海屋・大物浦ってどんなお話?
錦秋十月大歌舞伎は、第一部から第三部までの三部制で、第三部は夕方6時開演。第三部の『義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)』は、歌舞伎の三大名作のひとつです。今回はそのなかから、二段目にあたる「渡海屋(とかいや)・大物浦(だいもつのうら)」が上演されています。

舞台は、大物浦にある船問屋・渡海屋。兄の頼朝に追われ、九州へ落ちのびようとする源義経の一行が、ここで船出を待っています。
ところが、渡海屋の主人・銀平の正体は、壇ノ浦で死んだはずの平家の武将・平知盛。女房のお柳は安徳帝の乳母・典侍の局(すけのつぼね)で、娘のお安こそが安徳帝その人でした。知盛は風の強い夜に船を出し、海の上で義経を討とうとします。
けれど、義経はその計略を見抜いていました。知盛が敗れたと知った典侍の局は、帝を抱いて海へ入ろうとしますが、義経に止められます。局は帝の行く末を義経に託して自害。深手を負って戻った知盛は、最後に碇を担いで海へ身を投げます。
渡海屋では頼もしい船問屋の主人だった銀平が、大物浦では復讐に燃える平家の武将に。満身創痍での大立廻りと、碇を担いで海へ沈む最期が大きな見どころです。
花道横のドブ席で観た、渡海屋・大物浦
今回のお席は、花道横のドブ席。正直に言うと、渡海屋で銀平が正体を明かすあたりは、あまり覚えていません。時蔵さんに夢中だったので(笑)
お柳から典侍の局へ、時蔵さんに夢中
渡海屋の女房お柳のときの雰囲気も好きなのですが、大物浦で典侍の局になってからの雅さがまた素敵でした。
幼い帝をお守りしなければ、という責任と重圧。それが伝わってきて、切なかった・・・。
そして、帝のことを義経に託して自害する場面。ここは正直、上手の最前列で観たかった・・・(笑)
松緑さんの知盛、かっこいい立廻り
満身創痍の知盛が、義経たちに迫っていく大立廻り。松緑さんの立廻りって、かっこいいんですよね。今回もやっぱりかっこよかったです。
ただ、このあと知盛がどうなるのかを考えると、辛い・・・。
碇とともに、足裏が見えた瞬間
いよいよ最後、知盛が碇を担いで海へ。飛び込む前の、息をのむ緊張感がたまりませんでした。
そして飛び込む瞬間、足裏を見せながら飛び込みます。これがほんとにほんとにすごい!足裏が見えたときの感動、素晴らしかったです!松緑さんかっこよすぎ。
開演前は吉兆で
時間を少し戻して、開演前のお話。第二部が終わってすぐ、歌舞伎座3階の吉兆へ向かいました。吉兆はいつもお席がゆったりしていて、好きなんです。ちなみに吉兆の創業者は、歌舞伎が大好きだったそうですね。
縁高(ふちだか/縁の高い重箱のような器)の上には、秋草と虫籠の絵が描かれた紙。神無月のお品書きには、真鯛の松皮造り、鰆の柚庵味噌焼き、栗御飯、煮麺などが並んでいました。


いちばんのお気に入りは真鯛。あとは栗御飯は今年初めてだったので、うれしかったです。


いつもとてもおいしくて、見た目に量は少なく見えますが、意外とボリュームはあるので、食べるのも必死(笑)最後はシャインマスカットとフルーツコンポートのゼリー掛けで締めくくり。お値段は6,600円(税込・2026年10月時点)でした。

夜の歌舞伎座と扇雀飴
夜の歌舞伎座は、赤い提灯に白い外壁、紫の櫓、そして錦秋十月大歌舞伎の大幟。提灯の下には、今月の演目の絵看板が並んでいます。

そして、この日の小さなうれしい出来事。朝に乗った飛行機でもらった飴が、扇雀飴だったんです🍬 せっかくなので、歌舞伎座を背景にパチリ。

扇雀飴、久しぶりに食べたらやっぱりおいしくて、ちょっとハマっています(笑)CAさんにお願いすると飴ちゃんセットを作ってくれるので、帰りの便でもお願いしてしまいました。飴のなめすぎ注意🍬
まとめ
古典を観終えたときは、やっぱり達成感があります。押しつぶされそうになる場面も多くて、息をのむ場面もあって・・・。
時蔵さんの典侍の局の雅さと切なさ、松緑さんの知盛のかっこよさ、そして最後の足裏。古典の重みを、花道横のドブ席でまるごと味わえた夜でした。

