
8月13日は「怪談の日」なんだそうです。そんな日に観る『怪談 牡丹燈籠』。幕が開くと、三遊亭円朝の姿で登場した幸四郎さんから「稲川淳二さんが怪談の日と制定されました本日にお越しくださり…」という趣旨のご挨拶。怪談を観に来たはずなのに、開幕数分で客席は大爆笑。幸四郎さん、ほんといい加減にしてほしい(好き。笑)

『怪談 牡丹燈籠』ってどんなお話?
幕末から明治にかけて活躍した落語家・三遊亭円朝の怪談噺をもとにした通し狂言です。恋焦がれて命を落としたお露が、幽霊となって新三郎のもとへ通う物語に、お金に揺れる伴蔵・お峰夫婦の顛末が絡んでいきます。歌舞伎座での上演は2003年以来、23年ぶり👻カランコロンという下駄の音が耳に残る、夏にぴったりの演目です。


配役は、円朝と馬子久蔵の二役に幸四郎さん、伴蔵に巳之助さん、お峰に右近さん、新三郎に染五郎さん、お露に辰之助さん。若手花形もしっかりと並ぶ、フレッシュな顔ぶれでした。眼福。

2回目だから見えてくるもの
実は今月、定額制観劇サービスですでに一度拝見しておりまして、今回が2回目。同じ演目でも、2回目は見え方が変わりますね〜。1回目は物語を追うのに精一杯だったのが、今回は伴蔵とお峰、夫婦の心の揺れがじんわりと垣間見えて。
特に第一幕の、まだお金がなくても幸せだった頃のふたりの掛け合いが最高でした。後の展開を知っているからこそ、あの時間が愛おしい。伴蔵の巳之助さん、笑わせながらもかっこよかった。そしてお峰の右近さん、暗転しているのに「ちゅうちゅうたこかいな」を何回も何回も言い続けていて、笑いました。この前もそうだった?あの間合いと声の張り、やっぱり右近さんには笑いの神様が宿っている。
あの幽霊には会ってみたい
お露の辰之助さんの幽霊が、見ていて見飽きないんです。すーっと垂らした腕、関節がはずれていそうな身体の使い方。怖いはずなのに、どこかかわいい。あの幽霊にはほんとうに会ってみたい。実際に会ったら絶叫なんだけど、あれはかわいい、かわいすぎる。
今回のお席は前から6列目の花道真横、いわゆるドブ席。花道を間近で拝める特等席です。辰之助さんと染五郎さんのご出演は前半が中心なので、「前半のうちにしっかり拝んでおくのよ」と自分に言い聞かせてから観劇しました。
本水で納涼(むしろ寒い)
終盤には本物の水を使った場面もあります。この日は8月なのに肌寒い日で、観ているこちらまで水が冷たく感じられました(笑)納涼歌舞伎、涼みすぎ。むしろ寒くて風邪ひかないでほしい。
幕間は東京吉兆「葉月之御膳」
35分の幕間は、事前に予約をしていた東京吉兆の「葉月之御膳」へ。オンライン予約で6,600円です。





真鯛の昆布〆や松風焼などが詰まった縁高に、太巻寿司と稲荷寿司、焼き茄子のお椀、甘味の水羊羹まで。量もちょうどよくて、ひと品ひと品とてもおいしかった…。お席もゆったりしていて、幕間とは思えない落ち着きでした。


わたしはのんびり食べていたらお席への戻り時間がぎりぎりになりましたが、普通のペースでいただけば35分で十分間に合う分量だと思います。来月も行く予定です(即決)。特に稲荷寿司と水羊羹が美味しかった!

戻り道に、まさかのご褒美!!!
ぎりぎりで客席へ駆け足…の途中!!1階の入口から!!!米吉さんがご出勤されるところに遭遇しました🥺ご本人はごく普通に歩いておられるだけなのに、こちらは心の中で「はぅ!!!!ぬわっっっっ!」と叫びまくり。慌ただしい戻り道が、一瞬でご褒美タイムに変わりました。声が漏れないように口に手を塞いで、まさに完全体の不審者が完成。米吉さん、普通に出勤されるというのもある意味で罪かと・・・
お隣のマダムの名言
この日は、お隣の席のマダムが話しかけてくださいました。毎月のように歌舞伎座へ通われているそうで、「いろいろお話しをすると、その方のそれぞれの人生が垣間見えて、とても素敵で楽しいのよ〜」と。ひとり観劇の楽しみって、こういうことなのかもしれません。またお目にかかれたら嬉しいな〜。
まとめ
怪談の日に観る怪談、2回目でも(2回目だからこそ)最高でした。そして実は、明日も第一部を観に行きます。3回目の牡丹燈籠で、今度は何が見えてくるのか。そして明日のランチはどこに行くのか。(歌舞伎はご飯も大事なイベント🍱)
やはり今日も最高でした。

