
回り舞台がくるりと回って、染五郎さんと左近さんのおふたりが、寄り添ったままゆっくり暗い背面へと消えていく。あのワンシーンだけで、この日観劇に来てよかったと思いました。やはり今日も最高でした。

三月大歌舞伎 夜の部の演目


夜の部は、舞踊『壽春鳳凰祭(いわうはるこびきのにぎわい)』と、通し狂言『三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)』の2本立て。三人吉三にはAプロ・Bプロの配役違いがあって、わたしが観たのはBプロ。

『壽春鳳凰祭』は平安朝の華やかさあふれる17分の短い舞踊で、お祝いの空気から夜の部がスタート。・・・と書いておきながら、ほとんど覚えてません(笑)すみません🙇
お目当ては染五郎さんと左近さん
そう、この日のお目当ては、十三郎役の市川染五郎さんと、おとせ役の尾上左近さん。

『三人吉三』は、お嬢吉三・お坊吉三・和尚吉三という3人の盗賊が義兄弟の契りを結ぶ物語。その裏で進行するのが、和尚吉三の妹・おとせと、手代の十三郎の悲恋。ふたりは双子の兄妹であることを知らずに愛し合ってしまう、という業の深い設定です。
Bプロの和尚吉三は坂東巳之助さん、お嬢吉三は中村時蔵さん、お坊吉三は中村隼人さん。豪華すぎる布陣。時蔵さんのこういうちょっと悪い女の役好き。
さこんぬが、可愛すぎる
左近さん(通称「さこんぬ」)は女形の中でも群を抜いて好みの顔立ち。所作の繊細さ、体の華奢さ、全体的にすっと細い佇まい。「女形が好きだ」と自分で思っている以上に、女形が好きです。
おとせは夜鷹で、お嬢吉三に100両奪われて川に突き落とされたり、最後は・・・と、ずーーーっと不憫な役。なのに、染五郎さんとの恋に夢中になっているところは可愛らしくて、ついつい応援したくなる。「役の業の深さ」より「目の前で恋する若い女の子」のほうに気持ちが寄ってしまうんですよね。
染五郎さんの十三郎は、普通にイケメンでした(笑)それ以上の感想がないくらい、普通にイケメン。絵になるってこのことだわ。
回り舞台に持っていかれた
そして、忘れられないのがあの場面。ふたりが自分たちの運命を知ったあと、寄り添って立ったまま、回り舞台がくるりと回って、暗い背面へとゆっくり消えていきます。
直接「殺された」シーンを見せるのではなく、回り舞台に乗せて、生から死へ、光から闇へと静かに送り出す演出。悲しい運命に直面したままゆっくりと終焉の闇に飲み込まれていくのが、なんとも切なくて・・・音もきっと鳴っていたんだろうけど、まったく覚えていません。(実際どうでした?音、なってました?わたくし記憶にございませんのよ。)
お席のこと、夜の歌舞伎座のこと

ちなみにお席は、花横のとちり席。「特別席なのに?」というくらい周りはちらほら空いていて、わたしの隣には人がおられたけれど、そのお隣はいませんでした。歌舞伎座の特別席が空いている平日夜、けっこう穴場なのかも。ゆったり見られるのもいいけど、やっぱり満員御礼がいいな。
そういえば、開演前に通った歌舞伎座の玄関も、不思議なほど人がいませんでした。あんなに静かな歌舞伎座の正面、めずらしい。ほんとになんで?たまたま?時空歪んでた?銀座やで?(東銀座だけど)
逆に、終演後の夜の歌舞伎座はいつも通り賑やかで、提灯の灯りがきれいでした。夜の歌舞伎座は、やっぱり特別。
まとめ
幕間が2回もあったのに、この日はなぜか何も食べませんでした!もしかしてダイエットでもしてたんか?染五郎さんと左近さんに持っていかれて、お腹がすいたことも忘れていました・・・それかダイエットをしてました。めでたい焼きも食べてないなんて・・・3階までいくのが面倒だったのかな(笑)めんどくさいよダイエット、あるね😂
同じ演目でも配役が変わると別の作品みたいになるのが、歌舞伎のおもしろさ。今回は松緑さんのAプロを見逃してしまったので、次の松緑さんに期待!
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