博多座までの道すがら、博多川端商店街を歩いていたら、アーケードいっぱいに歌舞伎の幟。「え、出てるの?」と、博多座にたどり着く前から気分は上がりっぱなし。客席で見上げた祝幕の迫力にもやられて、やはり今日も最高でした。
夜の部の記事はこちら → 六月博多座大歌舞伎 夜の部(2026年6月)
六月博多座大歌舞伎ってどんな公演?
今回は、尾上菊之助改め八代目尾上菊五郎、尾上丑之助改め六代目尾上菊之助の襲名披露。親子そろっての襲名で、博多座が大劇場での締めくくりという、おめでたい興行です。

昼の部は3演目。襲名を寿ぐ幕開きの舞踊『寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)』、荒事(あらごと=力強い様式の演技)の魅力が存分に詰まった『菅原伝授手習鑑 車引(くるまびき)』、そして音羽屋の家の芸『新古演劇十種の内 茨木(いばらき)』。菊五郎さんも菊之助さんも、それぞれ大役で並ぶ構成です。配役を見ただけでワクワクする。
博多川端商店街、街じゅうが歌舞伎ムード
博多座へ向かう道すがら、博多川端商店街へ。アーケードには「博多座歌舞伎」の大きな幕や役者絵、そして幟がずらーーーり。ながら歩きがとまらない、危ない。

最初に見つけたのは、ピンクの中村莟玉(かんぎょく)さんの幟。「え、ちょっと待って、昼の部出てんのか、うれしい!」と、ここで一段あがります。

さらに青い尾上菊之助さん、緑の尾上菊五郎さんの幟も。街全体で「歌舞伎強化月間」と言ってるみたいで、思わず「最高かよ」と独り言。


商店街を抜けるとすぐに博多座。小雨がぱらつく中、劇場前に到着。曇り空でも、建物を見上げるとさらにワクワクが増しますね。

見上げた祝幕に、やられる(前日もやられてる)
客席に着いて、顔を上げたら——紫の祝幕がどどどーんと!真ん中は菊五郎さんと菊之助さん、最高の決めポーズで並んでいて、ひと目見た瞬間に「ジョジョ立ちだ」と(笑)。グッズが出ているのも知っていたし、祝幕の存在ももちろん知っているけど、改めて実物を前にするとまた感動するのです。昨日も見たのに、今日も感動。カメラロールが紫一色に(笑)撮りすぎ。

この日のお席は1階前方の下手側の花横(はなよこ)、いわゆる「ドブ席」(花道のすぐ脇の席)。開演前に最前列ど真ん中のお席近くまで行って祝幕を真下から撮影「かっこいー!真下からのアングルすごすぎる!かっこいい!」と、何枚も撮ってしまいました。紫のカメラロール、再び。

昼の部、3つの演目
幕開きの『寿式三番叟』、よく「寿ぐ(ことほぐ)」って言葉が使われるけど、すごくおめでたい感じがするその響きが好き。大谷廣松(おおたにひろまつ)さんの三番叟、素敵だった。
続く『車引』の梅王丸は、新・菊之助さん。これがもう、末恐ろしい。なんとまだ12歳!芸にとても熱心なお父様(=八代目菊五郎さん)のもとで、よほど稽古を積まれたのでしょう。筋書で菊五郎さんが、菊之助さんのこの一年の成長ぶりを語られており、そのお話通り、菊之助さんの舞台からも、いまの最大限を出しきっている自信のようなものがひしひしと伝わってきました。見得(みえ=動きを止めてビシッ!!と決めるポーズ。歌舞伎といえば!という感じ。)を切るときの姿勢が、とにかく綺麗。ヨガ的にも整ってる気がする(笑)。かろやかな飛び六方(とびろっぽう=花道を飛ぶように引っ込む豪快な演技で『THE 歌舞伎』という動き)も見られて、また観たい、と思わせてくれる存在でした。
そして『茨木』は、八代目菊五郎さんの茨木童子(いばらきどうじ)。前半は伯母の真柴(ましば)として、團十郎さん演じる綱(つな)を訪ねるのですが、その正体は綱に腕を斬られた鬼。イヤホンガイドの解説によると、この茨木童子、指が4本あるんだそうです。ふつう鬼は「知恵」と「慈愛」がないから三本指。でも茨木童子は、伯母に化けて綱を騙す「知恵」がある分、4本——なるほど、と膝を打ちました。終盤、鬼神となってからの飛び六方が、もう、カッコ良すぎて死にました。最近、同じ角度で菊五郎さんの迫力のあるお役を拝見できて、眼福なのでした。
息子の梅王丸と、父の茨木童子。1日に2回も飛び六方が見られて、なんとも贅沢な昼の部でしょう!もう一回見たいけど今日が千穐楽。
観劇の前後も楽しい博多座
幕間のお昼は、公演限定の「祝い御膳」。赤飯に刺身、天ぷら、煮物、お吸い物と、お祝いの日にぴったりの華やかなお膳でした。

2階には襲名披露の展示もありつつ、撮影スポットもあって、観劇の前後にぶらぶら見て回るのも楽しい。


3階まで上がると、舞台も花道も客席も一望できて、博多座の大きさをあらためて実感しました。とても素敵な劇場だな〜と。

グッズでは、連獅子(れんじし)スヌーピーの親獅子だけ、なんとか買えましたー!菊五郎さんの親獅子のポスターとも一緒に撮影できて嬉しい。茨木童子ごっこもできたし(笑)


まとめ
この日は千穐楽(せんしゅうらく=公演の最終日)。最後にもう一度、祝幕をパチリ。「もうこれが最後か・・・」と思うと、じわっとさみしくなりました。

終演後は、博多座の目の前にある和菓子屋「鈴懸(すずかけ)」さんへ直行。観劇の余韻にひたりながらの甘味は、また格別でした。(鈴懸さんのことは別記事にまとめました。)

そして帰る前に、福岡空港の「ラーメン滑走路」でもう一杯。旅の〆は、やっぱりラーメンでした。(こちらも別記事にまとめました。)

父と息子、ふたつの襲名を一日で。街も劇場も、まるごとお祝いムードの博多。やっぱり、ひとりの遠征はやめられません。お腹いっぱい。
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