福岡市美術館(2026年6月)

福岡市美術館(2026年6月) 美術館・博物館

福岡城を歩いたあと、すぐおとなりの福岡市美術館へ。大濠公園のなかにある、あの赤い建物です。ちょっと寄るだけのつもりが、これがとんでもない振り幅で、すっかり長居してしまいました。やはり今日も最高でした。

大濠公園のほとりの、赤い美術館

外壁が赤茶色のタイルでおおわれた、落ち着いた佇まいの建物。設計は、日本近代建築の巨匠・前川國男。ル・コルビュジエに学んだ人で、この福岡市美術館は1979年の開館です(2019年にリニューアル)。

いきなり、平安の仏像に迎えられる

薬師如来を囲む十二神将
薬師如来を囲む十二神将

1階の「東光院仏教美術室」へ。もと博多のお寺・東光院に伝わっていた仏像たちが並ぶ部屋です。

まんなかに、薬師如来。その両脇に日光菩薩と月光菩薩、まわりをぐるりと十二神将が囲んでいます。お堂の中にいるみたいな展示で、これが素晴らしかった。十二神将はそれぞれ頭のてっぺんに干支の動物をのせていて、自分の干支をさがすのが地味に楽しい。

木彫なので、よく見ると欠けているところがあったり、手にしていたはずの武具がなくなっていたり。でも、そこは頭の中で補完しつつ眺めてみる。平安時代からここまで残ってきたんだなあ、と思うと、欠けすらいい味に見えてきますよね。でもほんとはあったらいいんだけどな〜。

仙厓さんの「鳥はどこ?」

古美術のコーナーで足が止まったのが、仙厓さんが言葉を寄せた一幅。ゆるくて味のある禅画で知られる、博多ゆかりのお坊さんです。

横の解説に「鳥はどこ?」とあって、え、鳥?どこ?としばらく絵とにらめっこ。言われてみれば……鳥に見えなくもない、かなぁ。仙厓さん、ほんまに?と心の中でツッコミながら、まんまと長いこと眺めてしまいました。

仙厓の禅画の展示
仙厓の禅画の展示

まさかのカプーア、そして塩田千春

アニッシュ・カプーア「虚ろなる母」。角度を変えると、凹みの闇がもっと深く見える
アニッシュ・カプーア「虚ろなる母」

ここからが本当に予想外でした。近現代のフロアに進むと、アニッシュ・カプーアの「虚ろなる母」が。正直、ここでカプーア作品に会えると思っていなかったので、声が出そうになりました。声を出さずに顔だけは立派に「お!」という表情にはなっていました。見ていると吸い込まれそうな深淵なる闇、闇、闇、虚空、深い、不思議な作品です。

さらにその先には、塩田千春さんの「記憶をたどる船」。赤い糸が空間いっぱいに張りめぐらされた、鉄の船のインスタレーション。仏像で始まって、まさか塩田千春さんで終わるとは。最高でした。

塩田千春「記憶をたどる船」。赤い糸が空間いっぱいに張りめぐらされた、鉄の船のインスタレーション
塩田千春「記憶をたどる船」

まとめ

本当は仙厓さんの作品がコレクションに少しでも出ているかもと期待してふらっと寄ったつもりが、平安時代の仏像から現代アートまで、ぜんぶ一館で楽しめた福岡市美術館。仙厓さんは1点のみだったけど、他で満足。また展示される機会にも期待。

知識ゼロ、ただの初心者でも、「うわ、これ知ってる」「これは何だろう」を行ったり来たりするだけで、あっという間に時間が過ぎていきました。お城のあとに軽い気持ちで寄ったのに、すっかり満腹。次はもっと時間をとって、ゆっくり来たいなと思います。

この日はこのあと、おとなりの大濠公園にも立ち寄りました。

福岡市美術館 基本情報
所在地福岡県福岡市中央区大濠公園1-6(大濠公園内)
開館時間9:30〜17:30(入館は17:00まで)/7〜10月の金・土曜日は20:00まで
休館日月曜日(祝日・振替休日の場合はその後の最初の平日)、12月28日〜1月4日
料金コレクション展・企画展 一般200円・高大生150円・中学生以下無料(特別展は別料金)
アクセス地下鉄空港線「大濠公園駅」3・6番出口より徒歩約10分、または地下鉄七隈線「六本松駅」2番出口より徒歩約10分
設計前川國男(1979年開館/2019年リニューアルオープン)
ひとりさんぽメモ大濠公園とセットで回れる立地。コレクションが幅広いので、時間に余裕を持つのがおすすめです。
公式サイト福岡市美術館
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