根付 高円宮コレクション(2026年6月)

けうけげんの根付 美術館・博物館

たなごころにのる小さな世界に広がる大きな物語。東京国立博物館の根付コーナーは、前に来たときも釘付けになった場所。やはり今日も最高でした。

根付ってなに?

根付は、印籠や煙草入れなどを帯から提げるときに、紐の端につける留め具のこと。江戸時代に発展した、おしゃれと実用を兼ね備えた小さな彫刻です。

留め具という実用品なのに、そこに技巧と物語と遊び心が全部詰め込まれている。この二重のおもしろさが、根付の魅力だと思います。

根付を展示しているのは、東京国立博物館・本館の「高円宮コレクション室」。高円宮ご夫妻が蒐集された、主に現代の作家による「現代根付」のコレクションです。

釘付けになった子たち

おにぎりの根付は、シンプルに使いやすそうで好き。海苔の質感までおにぎりで、毎日連れて歩きたくなります。

能面のような根付は、この日このあと東博能を観る予定だったこともあり、ついつい足が止まりました。手のひらサイズでも、ちゃんと「おもて」の気配があるんですよね。

毛むくじゃらの妖怪・けうけげんは、見た目がかわいいうえに「妖怪だー!」とテンションが上がる一品。どういう装いのときにこれを選ぶのかなあ、と想像するのも楽しい。

そして碁盤と道具一式の根付。この再現度、すごいですよね。

どの時代の根付も、その当時は「現代根付」

入口には、久子さまのご挨拶文がありました。心に残ったのは、「どの時代の根付も、その当時は現代根付」という一文。

これって根付に限らない話だと思うんです。その当時に思いを馳せて、モノに対峙すること。たとえばYBA(ヤング・ブリティッシュ・アーティスツ)だって、当時は最先端の現代美術だったのに、いまやすでに歴史の一部になっている。いま目の前にある「現代」も、いつか誰かの「古典」になる。そう思うと、現代根付のコレクションを「いま」見られることが、なんだか特別に思えてきます。そして江戸時代の作品を江戸時代の人たちは「現代」として見ていた、その時の心境とは?と想像するのも楽しいものです。

まとめ

小さくて、細かくて、遊び心があって。根付コーナーは、東博に行くたびに寄りたい場所です。

この日は同じ館内で、能面をめぐる「古いからえらい、わけじゃない」というお話も聞いたのでした。その話はこちら → 東博能『船弁慶 後之出留之伝』(2026年6月)

東京国立博物館(本館 高円宮コレクション室) 基本情報
施設名東京国立博物館(本館 高円宮コレクション室)
所在地東京都台東区上野公園13-9
アクセスJR上野駅公園口または鶯谷駅南口から徒歩約10分
開館時間9:30〜17:00(金・土曜などは20:00まで、入館は閉館30分前まで)
料金東博コレクション展(平常展): 一般1,000円、大学生500円
備考根付の展示作品は入れ替わるため、訪問前に公式サイトで確認するのがおすすめ
ひとりさんぽメモ小さな根付をひとつずつじっくり見るなら、ひとりが断然向いています。
公式サイト東京国立博物館
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