
お目当ては『蝶の道行』、染五郎さんと團子さんの二人。最初は可憐で美しくて、でも最後はどうしようもなく切なくて・・・舞踊ひとつで、こんなに気持ちが動かされるとは。やはり今日も最高でした。
夜の部はどんな構成?
この日の夜の部は、『鬼平犯科帳 血闘』と、舞踊『蝶の道行(ちょうのみちゆき)』の二本立て。わたしのお目当ては、後者の『蝶の道行』でした。


「道行(みちゆき)」というのは、男女が二人で旅路を歩いていく様子を踊りで見せる場面のこと。多くは心中や、この世ならぬ旅路だったりします。
『蝶の道行』の助国(すけくに)と小槇(こまき)は、恋仲だったのに主君の身替わりとして命を落とし、この世では結ばれなかった二人。死後、番(つがい)の蝶になって、花咲く野辺をさまよう・・・という、なんとも切ないお話です。
『蝶の道行』、可憐から地獄へ
前半は、在りし日の姿で現れた二人が、馴れ初めを恥ずかしそうに語り合いながら踊ります。ここはもう、綺麗だな〜、可憐だな〜と、かわいいわ〜、イケメンね〜、とうっとり見惚れてOKな時間帯。
ところが後半、蝶になった二人を襲うのは地獄の責め。衣裳がぶっ返り(裾がめくれて別の柄が現れる仕掛け)でパッと蝶の姿に変わった瞬間は、思わず「おぉ!!」と声が出そうになりました。

でも、その「おぉ!」を手放しでは喜べないのが、この演目の切ないところ。衣裳が美しく変わるほど、話はどんどん破滅に向かっていくものだから、なんだか悲しくて。お互いをかばい合いながら力尽きていく二人に、ただただ見入るばかりでした。
ロミオとジュリエットみたいな悲恋、と言えばそうなんだけど、こちらは救いのハッピーエンドが用意されていない分、余韻がずっしり。ロミオとジュリエットも救いはないか・・・
この日は2階席から、少し離れて二人を見守るような目線だったのも、この儚さにはよく合っていた気がします。
もうひとつの演目、『鬼平犯科帳』

夜の部のもう一本は、松本幸四郎さん主演の『鬼平犯科帳 血闘』。池波正太郎さんの人気小説を、幸四郎さんが自ら構成・演出も手がけて歌舞伎にした作品です。
お目当ては『蝶の道行』だったはずが、こちらもしっかり楽しんで・・・気づけばちゃっかりと鬼平のアクリルスタンドを握りしめていました〜(笑)

幕間は、ついにめでたい焼き

歌舞伎座での幕間のお供といえばめでたい焼き。いつもお弁当でお腹がいっぱいになってなかなか食べられないことも多いので、食べられた日はとっても嬉しい。
今回の観劇、お弁当か、たい焼きか・・・どっちもいけました😂おいしい
まとめ
『蝶の道行』は、美しさと切なさが同居する、忘れられない舞踊でした。染五郎さんと團子さんの二人だからこその儚さだったなぁと、今でもふと思い出します。
破滅に向かうお話なのに、また観たいと思ってしまう。歌舞伎の舞踊には、そういう不思議な引力がありますね〜。

