七月大歌舞伎 夜の部(2025年7月)

青空の歌舞伎座 歌舞伎
青空の歌舞伎座
青空の歌舞伎座

お目当ては『蝶の道行』、染五郎さんと團子さんの二人。最初は可憐で美しくて、でも最後はどうしようもなく切なくて・・・舞踊ひとつで、こんなに気持ちが動かされるとは。やはり今日も最高でした。

夜の部はどんな構成?

この日の夜の部は、『鬼平犯科帳 血闘』と、舞踊『蝶の道行(ちょうのみちゆき)』の二本立て。わたしのお目当ては、後者の『蝶の道行』でした。

「道行(みちゆき)」というのは、男女が二人で旅路を歩いていく様子を踊りで見せる場面のこと。多くは心中や、この世ならぬ旅路だったりします。

『蝶の道行』の助国(すけくに)と小槇(こまき)は、恋仲だったのに主君の身替わりとして命を落とし、この世では結ばれなかった二人。死後、番(つがい)の蝶になって、花咲く野辺をさまよう・・・という、なんとも切ないお話です。

『蝶の道行』、可憐から地獄へ

前半は、在りし日の姿で現れた二人が、馴れ初めを恥ずかしそうに語り合いながら踊ります。ここはもう、綺麗だな〜、可憐だな〜と、かわいいわ〜、イケメンね〜、とうっとり見惚れてOKな時間帯。

ところが後半、蝶になった二人を襲うのは地獄の責め。衣裳がぶっ返り(裾がめくれて別の柄が現れる仕掛け)でパッと蝶の姿に変わった瞬間は、思わず「おぉ!!」と声が出そうになりました。

『蝶の道行』のブロマイド
『蝶の道行』のブロマイド

でも、その「おぉ!」を手放しでは喜べないのが、この演目の切ないところ。衣裳が美しく変わるほど、話はどんどん破滅に向かっていくものだから、なんだか悲しくて。お互いをかばい合いながら力尽きていく二人に、ただただ見入るばかりでした。

ロミオとジュリエットみたいな悲恋、と言えばそうなんだけど、こちらは救いのハッピーエンドが用意されていない分、余韻がずっしり。ロミオとジュリエットも救いはないか・・・

この日は2階席から、少し離れて二人を見守るような目線だったのも、この儚さにはよく合っていた気がします。

もうひとつの演目、『鬼平犯科帳』

『鬼平犯科帳』の等身大パネル
『鬼平犯科帳』の等身大パネル

夜の部のもう一本は、松本幸四郎さん主演の『鬼平犯科帳 血闘』。池波正太郎さんの人気小説を、幸四郎さんが自ら構成・演出も手がけて歌舞伎にした作品です。

お目当ては『蝶の道行』だったはずが、こちらもしっかり楽しんで・・・気づけばちゃっかりと鬼平のアクリルスタンドを握りしめていました〜(笑)

鬼平のアクリルスタンド
鬼平のアクリルスタンド

幕間は、ついにめでたい焼き

めでたい焼き
めでたい焼き

歌舞伎座での幕間のお供といえばめでたい焼き。いつもお弁当でお腹がいっぱいになってなかなか食べられないことも多いので、食べられた日はとっても嬉しい。

今回の観劇、お弁当か、たい焼きか・・・どっちもいけました😂おいしい

まとめ

『蝶の道行』は、美しさと切なさが同居する、忘れられない舞踊でした。染五郎さんと團子さんの二人だからこその儚さだったなぁと、今でもふと思い出します。

破滅に向かうお話なのに、また観たいと思ってしまう。歌舞伎の舞踊には、そういう不思議な引力がありますね〜。

松竹創業百三十周年 七月大歌舞伎 公演情報
公演期間2025年7月5日(土)〜26日(土) ※11日(金)・18日(金)休演
劇場歌舞伎座(東京・東銀座)
開演時間昼の部 11:00 / 夜の部 17:00
演目・出演夜の部=『鬼平犯科帳 血闘』(池波正太郎 作 / 松本幸四郎 構成・演出 / 戸部和久 脚本・演出)長谷川平蔵=松本幸四郎、普賢の獅子蔵=市川團十郎、長谷川銕三郎=市川染五郎 ほか。『蝶の道行』助国=市川染五郎、小槇=市川團子。
上演時間夜の部『鬼平犯科帳 血闘』序幕 17:00〜18:03 / 幕間35分 / 大詰 18:38〜19:32 / 幕間25分 / 『蝶の道行』19:57〜20:24 ※2025年7月14日時点の予定
チケットチケットWEB松竹
ひとり観劇メモ夜の部は幕間が2回(35分と25分)。お弁当をゆっくり食べるなら1回目、めでたい焼きのような軽いおやつは2回目の幕間が狙いめです。『蝶の道行』は30分弱の舞踊なので、一幕見席でこの一幕だけ観る楽しみ方もできます。
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