
想いが叶わなくて呪いまくる『善知鳥』の安方の霊が、妖艶でかっこよくて、お話そっちのけで「めっちゃ好き」ってなってしまいました(笑)。途中でハプニングがあっても、それでもかっこいい。やはり今日も最高でした。
新翔 春秋会ってなに?
「新翔 春秋会」は、團子さんが自分の研鑽の場として2024年に立ち上げた会で、今年が3回目。会場の春秋座は、お祖父様の二世市川猿翁さんの「大学に本格的な歌舞伎の劇場を」という思いから生まれた、京都芸術大学の中の劇場です。
今回の演目は『正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)』『鷺娘(さぎむすめ)』『善知鳥(うとう)』の舞踊三題。立役(男性の役)と女方(女性の役)の両方で初役(はじめて勤める役)に挑む回でした。
春秋座へ
チケットは劇場の公式オンラインで席を選んで購入し、受け取りは入口前のチケットセンターに。持ち歩かずにすむので、忘れる心配もありません。

建物の玄関で「本日開催」の看板に迎えられ、見上げると春秋座の垂れ幕が風にふわふわ。お席は舞台から少し距離はあるものの見やすくて、イヤホンガイドもすんなり借りられて準備万端…のはずが、オペラグラスを忘れていました。ありえない😭



舞踊三題をたどる
正札附根元草摺
幕開きは、仇討ちに飛び出そうとする曽我五郎を、舞鶴(猿紫さん)が鎧の草摺(すその部分)を引いて止める、力くらべの踊り。イヤホンガイドで「初役」と聞いた…気がする團子さんの五郎は、若々しくて、まっすぐで、かっこいい。

鷺娘
以前、別の公演で他の役者さんの『鷺娘』を観たとき、引き抜き(糸を抜いて一瞬で衣裳を替える仕掛け)の瞬間にヒヤッとしたことがあって、今回は始まる前からちょっとドキドキ。

恋に執着してしまった鷺の精の迷う心を、團子さんはまっすぐな踊りで見せてくれて、心配していた引き抜きもぜんぶきれいに決まりました。ほっ。ほんとうは後見さん(舞台の上で役者さんを手伝う人)の手さばきもじっくり見たかったのだけど、ここでオペラグラスがないのが響きます…(笑)糸を引き抜く時の所作が好きで・・・
終盤は、最後に息絶えて終わる今回の演出へ。背中がやわらかそうな海老反りを観ながら、どこまでも反ればいいわけではないはずだから、やわらかいからこその加減の難しさもあるのかなあ…なんて想像していました。それにしても、きれいに反ってたな〜🦐
特別映像
『善知鳥』の前には、10分ほどの特別映像。松竹に残るお祖父様の頃の衣裳を今回着るというお話や、演出、お稽古のお話でした。團子さんはいつも口を開けばお祖父様のお名前が(笑)。でも、お祖父様の思いから生まれた劇場で、お祖父様が復活させた演目を、お祖父様の頃の衣裳で踊るのだから、それも納得です。
善知鳥
『善知鳥』は、お祖父様が二世藤間勘祖さんと復活上演した演目。八幡太郎義家(染五郎さん)と恋仲の尾上の前(笑也さん)に横恋慕した安方は、尾上の前のその場しのぎの口約束を真に受けて、金の札つきの鴛鴦(おしどり)を手にかけ、死罪に。やがて、逢瀬を重ねるふたりの前に霊となって現れます。

安方の霊の妖艶さが良くて、イケメンがしっかり生かされるお役でした。途中で衣裳にハプニングがあって、思わず目を伏せてしまう場面もあったのですが・・・心の中ではずっと「がんばれ!」を連呼。それでも、善知鳥の團子さんはかっこよかった。
それにしても安方って、いまでいうストーカーでしょうか? でも、あのイケメンにあんなに好き好き攻撃されたら、わたしならすぐについていきますけど。ただそれだと安方的には、そこまでその人にはハマらないんでしょうね〜。逃げるから追いたくなる。なんだかわからないけど、鳥っぽい。呪われて操られるのも本望だわぁ…なんて思いながら観ていたので、お話の受け取り方としては100%間違っていました(笑)え?義家さまと恋仲なのに、團子さんの安方に言い寄られて困ってます?笑也さん、そこの場所代わってくれませんか?🤣
染五郎さんの義家は、少し前に観たコミカルなお殿様の印象に引っ張られそうになりつつも、思わず「よ!イケメン!」と言いたくなる姿。笑也さんの尾上の前は、最高に可愛らしかったです。染五郎さんと團子さんがもっと絡む演目も観たかったな〜…というのは、お正月の浅草のお楽しみにとっておきます。
グッズと展示、お土産
アクスタは3種類ぜんぶ購入💕 当日でも、そんなに並ばずに買えました。ステッカーセットと筋書もそろえて、さらに「市川團子」の文字と紋が入ったシールももらえたのだけど、これが何のおまけなのかは謎のまま…。最大のお目当て、チケットホルダーも無事に手に入れて、使うのがいまから楽しみ🎫


そしてギャルリ・オーブには3つのビジュアルの等身大パネルが並び、会場にはサイン入りのポスターも。どこに何があるのか、先に調べておけばよかったなあ…というのが今回の反省点です。

お土産は、マールブランシュの「茶の菓」の特別パッケージ(1箱1,500円)。友達へのギフトに、この人にはこれ、この子にはこっち、と絵柄を決めていたら大量買いになってました。友達への、團子ちゃんの押し売りです(笑)

まとめ
まっすぐな五郎に、一途な鷺の精、そして妖艶な安方の霊。ここに色香がもっともっと重なっていったら、どんな舞台になるんだろう…と想像がふくらみます🫶
研鑽の場であるという「新翔 春秋会」は、一年ごとの積み重ねを見せてもらう場所だと思うので、来年も開かれるのならば、またまた春秋座に参上したく存じます🫡
その前に、まずはお正月。2027年の新春浅草歌舞伎には、染五郎さん、辰之助さん、團子さんがそろって出演。この染團辰の3人がどう絡むのか、いまから楽しみです。

