
第一幕で舞台奥の壁が開いて、外の景色がそのまま背景に。マンションまで見えちゃってる(笑)4年ぶりに浅草へ帰ってきた平成中村座、花道横のドブ席で観た第一部は、やはり今日も最高でした。
同じ公演の他の記事 → 平成中村座 十月大歌舞伎 第二部(2026年10月)
平成中村座ってなに?
平成中村座は、江戸時代の芝居小屋を再現した期間限定の仮設劇場。十八世中村勘三郎さんの思いから2000年に浅草で生まれ、国内外を巡ってきました。今回の場所は、浅草寺の本堂裏です。
浅草まで来たので、雷門にも。とりあえず来たら撮るよね📷劇場の入口には白い提灯がずらりと並び、まわりには幟や「平成中村座」の酒樽。裏には観光バスもたくさん停まっていました。


第一部は、『初帆上成駒宝船(ほあげていおうたからぶね)』『仮名手本忠臣蔵 九段目 山科閑居の場』『連獅子』の三本立てです。
花道横のドブ席と、提灯の天井
今回のお席は花道横のドブ席(花道のすぐ脇の席)で、花道の板が目の前。椅子には紫色のお座布団が置かれていて、これが癒しです。ただ、歌舞伎座のような座席とは違って前の席との間隔が狭く、傾斜もあまりないので、前の人の頭で見えにくいところも多々ありました。

見上げれば、「中村座」と書かれた大提灯と、連なる赤い提灯。大提灯はすごく大きくて、迫力がすごい!

館内の貼り紙もいい味を出していて、小道具さんの筆文字の「写真撮影可」はなんか好きだし、人物のイラストつきの「押してくださいますな」もかわいい😍 いたるところにかわいいイラストがあったので、もっと時間を作って全部見てまわればよかった!


第一部の三演目
初帆上成駒宝船
成駒屋三兄弟(中村橋之助さん・福之助さん・歌之助さん)の襲名披露のために、現代美術家の山口晃さんたちが書き下ろした舞踊で、10年ぶりの上演です。
宝船の舳先(へさき)が客席を向いたところで背景の壁が開き、外の景色が借景(外の風景を背景に取り込むこと)に。すごい!と思ったら、マンションも見えてる(笑)背景の絵には浅草寺やスカイツリー、平成中村座まで描かれていて、これがまた最高でした。
仮名手本忠臣蔵 九段目 山科閑居の場
加古川本蔵の妻・戸無瀬(七之助さん)と娘の小浪(鶴松さん)は、小浪の許嫁・大星力弥(歌之助さん)との祝言を願い、雪の山科の大星由良之助(勘九郎さん)宅へ。けれど由良之助の妻・お石(扇雀さん)に断られ、思い詰めた戸無瀬は小浪を手にかけて自分も死のうと…。そこへ虚無僧姿の本蔵(鴈治郎さん)が現れ、わざと力弥の槍を受けて本心を明かします。
戸無瀬の気持ちを考えると胸が痛い・・・。かわいい娘が望む祝言をあげさせてあげたいけど、小浪は実の子ではないんですよね。それなのにそこまで?と思ったら、継母だからこそ、夫から預かった娘を断られたままでは顔向けできない、という事情もあるそう。
それにしても由良之助って、いっつも出てくるの一歩遅くない?(笑)もっと早く出てくれたらこうはならなかったのに!の連続。でも九段目は本蔵の覚悟を見抜いていたとも読めるので、あえての一歩遅れ…なのかも。
ちなみに、戸無瀬と小浪の二人だけの場面で、花道にハエが。ふわふわ〜っと花道を飛んで、そのまま客席のほうへ行ってしまいました。勘三郎さんだったのかな?
そして、今年1月以来の鶴松さん!ご出演が決まった時には嬉しくて飛び上がりました〜!待ちに待った舞台でようやく拝見できてとても嬉しかったし、最高に可愛かった。本当に本当に最高でした!!次もまた楽しみにしてます⭐️
連獅子
中村屋が親から子へ大切に受け継いできた舞踊の大曲を、勘九郎さん・勘太郎さん・長三郎さんの親子三人で踊るのは、今回が初めてだそう。
イヤホンガイドの特別放送で長三郎さんは、以前踊ったときのことを思い出しながら稽古したこと、心が成長したぶん不安も感じることを話されていて・・・🥺
実の親子の連獅子は、歌舞伎役者として、息子として、どうしても重ねて観てしまって涙なしには観られません。勘太郎さんと長三郎さんが二人で踊っている間、ずっと勘九郎さんをガン見していましたら(笑)、勘太郎さんと長三郎さんをすごく真剣に見つめておられ、ときどき小さくうなずいてて・・・。親としての心配と、教える立場としての厳しさとがにじみ出ていて、複雑だな〜〜〜〜と思いながら拝見していました。
後半の毛振り(獅子の精が長い毛を振る見せ場)では、花道で振る毛が客席までかかって、お客さんにバシバシ。ちょっと羨ましい。
勘九郎さん、勘太郎さん、長三郎さん、みなさまの毛振りの力強さに心から感激しました。
幕間は観劇弁当とランチョンマット
お弁当は松竹で事前に予約しておいた観劇弁当で、黄色い紋と銀杏の柄が入った中村屋のランチョンマット付き!
1回目の幕間に開けてみると、お稲荷さんにちらし寿司、天ぷらがのった天丼風のご飯…と、おかずよりご飯ものが充実していてボリューム満点。お腹いっぱいです〜。


ただ、劇場の外でも浅草今半や助六弁当、まい泉などを売っていて、これはまったくもって盲点でした。予約しておかないと面倒かな〜とネットで事前に頼んでたけど、やっぱり今半のすき焼き弁当も食べたかったな〜。先に調べておけばよかった😭
幕間には、幕のすき間から舞台の転換作業がちらり。所作台(踊りのために舞台に敷く台)を『宝船』で使って『忠臣蔵』の前に撤収し、『連獅子』の前にまた設置。大変だ!幕の後ろでは壁が開いていて、外も見えていました。

まとめ
芝居の背景に本物の浅草がのぞいたり、毛振りの毛が客席まで届いたり。舞台と客席、劇場と街の距離が近い、平成中村座ならではの時間でした。そして親子三人の連獅子には、やっぱり涙。
浅草公演は10月25日まで。芝居小屋の空気はひとりでもたっぷり楽しめますよ。ただ今回は、いつもよりおひとり様が少なかったかも👀

