
縞模様の座布団がのった駕籠に、「揚巻」「白玉」と書かれた大きな提灯。これから舞台で使う小道具たちが館内にふつうに並んでいるこの光景。芝居小屋は幕が開く前から楽しいのです。やはり今日も最高でした。
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平成中村座ってどんなところ?
江戸の芝居小屋を再現した、期間限定の仮設劇場です。十八世中村勘三郎さんの思いから平成12年に浅草で誕生し、今回は4年ぶりに浅草寺の本堂裏へ。劇場の中では履物を脱いで過ごします。
第二部は2演目。『御存 鈴ヶ森(ごぞんじすずがもり)』は、お尋ね者の若衆・白井権八(勘太郎さん)と、江戸の侠客・幡随院長兵衛(芝翫さん)が出会うひと幕です。
『助六曲輪初花桜(すけろくくるわのはつざくら)』は、吉原で喧嘩ばかりしている花川戸助六(勘九郎さん)のお話。正体は曽我五郎で、相手に刀を抜かせては名刀・友切丸を探しています。市川家の『助六由縁江戸桜』とは外題(タイトル)が違い、助六の登場には長唄が使われます。勘九郎さんは今回が初役で、仁左衛門さんが指導にあたられたそうです🫶
第二部が始まるまで
第一部観劇後も、劇場の外ではお弁当を売っておられました。ただ、お昼のお弁当の量が多くてずーっと満腹…。結局お弁当は買わずに、浅草寺のベンチで五重塔を眺めて一休み。「よし、第二部!」と幟を見上げて撮ったら、裏側からで文字が反転していました(笑)
館内には、竹の駕籠や簾のついた駕籠、大きな提灯が置かれています。鳥屋(とや:花道の奥の小部屋)が狭いのかな?こうやって並んでいるのも芝居小屋感があっていいんです💕 提灯がすてきで、何度も撮ってしまいました。揚巻さ〜ん♡


履物を脱ぐ場所には、「勘太郎」「長三郎」と書かれた青と緑の鼻緒の大きな草履に、「姫」と書かれた赤い鼻緒の小さな草履の絵。かわいすぎる♡ 壁の「ご協力ありがとうございます」の案内にも、お辞儀する人の絵。こういうの好き。誰が描いたんだろ。入口そばの階段には、黄色いイチョウの葉の飾りもありました。


長椅子の下手側から
下手側の長椅子の席。第一印象は「めちゃくちゃ斜めだから見切れるところ多そう・・・だけど見やすそう!」。下手側の舞台は案の定見切れたものの、花道はばっちりで、桟敷席から観るような眺めで最高でした。

幕の端が少し持ち上がって、道具を運ぶ様子が見えることも。ちらりと見えるこの景色がたまらん。見上げると、赤い提灯がずらり。きれい。

そして劇場内がとにかく寒かった!仮設なので、温度の調整は試しながらなのかな…。羽織るものは必須中の必須です。ダウン欲しいくらいだった(笑)
第二部の演目
館内で見た小道具たちも、ちゃんと舞台の上で見つけましたよ。
御存 鈴ヶ森
暗がりで襲いかかる雲助たちを、権八(勘太郎さん)が次々に斬り払う立廻り。足、腕、鼻、顔、頭…と、えげつないのに、ちょっとコミカルなんです。
そして30分の幕間。あれだけ満腹だったのに、まさか・・・もうお腹がぺこぺこ! お腹が空くのを見越して、開演前に買っておけばよかった〜・・・浅草今半のすき焼き弁当、食べたかった😭
助六曲輪初花桜
七之助さんの揚巻は、安定の素晴らしさ。ちょっと意地悪な感じが好き。女性だけど、とっても男前!
ところがここで事件発生。見切れた下手側にいたのが、傾城胡蝶の鶴松さん。あーーーーーーー、そういうオチかーーーーー・・・なんてこった・・・・ でも、そのおかげで七之助さんの揚巻に集中できたので、逆によかったです(笑) これはけっこうガチで。
花道から助六(勘九郎さん)が登場すると、あ〜、やっぱ助六いいわ〜💕ってなる。観ている最中から、この演目が好きだなあとしみじみ。イヤホンガイドによると、助六の衣装は仁左衛門さんのものだそう!
最近はコミカルな勘九郎さん(『らくだ』とか)ばかり拝見していた気がするので、粋でかっこいい勘九郎さんが逆に笑えてしまいました(笑) めちゃくちゃかっこいいじゃん!みたいな。コミカルさがまったくないのは少し寂しいけれど、それがなくても楽しすぎました。
福山かつぎの長三郎さんは最高、好き😂ああいうお役がよく似合っていて面白い。やっぱり勘九郎さんの息子だわ(笑)
通人里暁の鴈治郎さんは、今回も面白すぎました。2023年の南座顔見世以来かな? 股くぐりの時には「僕が高校生の頃から使ってるラルフローレン」と香水をふりかけていて、真似してるだけかな〜?と思ったら本当に香りがしました。勘九郎さんには「十八世中村勘三郎にうりふたつ!」、白酒売の扇雀さんには「わたしと血のつながった兄弟のような…そんなわけはないか!」などなど(鴈治郎さんと扇雀さんは実のご兄弟です)。
「勘三郎さんは助六をやりたいと言ってた。きっと天国から羨ましがってるよ〜」みたいなことも言っておられて、じんわり🥺 館内には、十八世勘三郎さんが「僕が助六を演る時に持ってきてほしい」と言っていたという羽子板も飾られていました。

最後の水入りでは、助六が天水桶(防火用の大きな水桶)の中へ。見るからに冷たそうで、寒い日だったから、風邪ひかないで…と思ってしまいました。
夜の平成中村座と浅草寺
外に出ると、提灯に灯りがともった夜の平成中村座。幟のあいだからはスカイツリーも。外壁の、公演期間と矢印だけの案内看板は、なんか昭和な感じでえもい。


帰りに寄った浅草寺の本堂も、素敵でした。夜風も気持ち良い。

まとめ

小道具に、手描きの案内に、舞台転換に。芝居小屋をまるごと楽しんで、改めて助六が好きだなあと思った第二部でした。江戸の芝居小屋の空気、一度味わってみると楽しいと思います。次の平成中村座も楽しみです!

