
曾根崎心中が、好きです。今回も全部しびれたけれど、天満屋の段はやっぱり別格でした。やはり今日も最高でした。
『曾根崎心中』——人形であることを、忘れる
『曾根崎心中』は、近松門左衛門が実際の心中事件をもとに書いた世話物(その時代に起きた出来事を題材にした作品)。300年以上前の作品が、いまも人の心を掴んで離しません。
映画『国宝』のヒットで「曾根崎心中」の名前を聞いた人も多いと思うけれど、あの映画は歌舞伎のお話でしたよね。「曾根崎心中を見てみたい!」と思ったとしても、同じ演目でも文楽まで足を運ぶという人は思ったより少なかったように感じました。もったいない、なーーーーんて心の中でこっそり思ってました。
いちばんしびれたのは、天満屋の段。縁の下に隠れた徳兵衛に、お初が足で心中の覚悟を確かめる場面。あの超有名なシーン。太夫さんの「喉笛撫で」の語りに合わせて、お初の足がすっと動く。人形なのに、その足先に迷いや覚悟までにじんで見えて、気づけば息を詰めて見入っていました。
人形であることを、忘れてしまう瞬間がある。
文楽の凄みって、たぶんそこにあるんだと思います。まぁでもそれだけじゃないんだけども〜・・・
最期の天神森の段も、大好きな道行。・・・なのだけど、天満屋の衝撃が強すぎて、正直そのあとの記憶は少しふわっとしています(笑)また観たときにちゃんと味わおう。だからやっぱりもう一回観たくなるんですよね。
しかも今回も床近くのお席を取ったので、舞台まで少し距離があり、人形を見るにはちょっと遠い・・・それなのにオペラグラスを忘れるという間抜けっぷり。やっぱりもう一回観る流れでは?!笑
帰りは、物語の余韻を連れたまま、電車でGO。寄り道する気になれないくらい、静かにずしっと残る夜でした。
好きだけど、やっぱり重い(笑)

