
チャップリンの名作『街の灯』が文楽になった『まちの灯』。観終わっての第一声は「名作すぎた」。文楽ファンだけのものにしておくのはもったいない、そう思える公演でした。本当に素晴らしかった。
Bunraku Summer Festivalってどんな公演?
国立文楽劇場(大阪)で開催された「Bunraku Summer Festival」。夏休み文楽特別公演と同時開催の夜公演で、演目は『寿柱立万歳』と、チャールズ・チャップリン原作『街の灯』を新作文楽にした『まちの灯』の2本立て。『まちの灯』は今回が世界初演で、脚本・演出はチャップリン研究の第一人者・大野裕之さん、人形監修は桐竹勘十郎さんという布陣です。
驚いたのが、筋書が販売ではなく無料配布だったこと。すごいふとっぱら。


原作を知らなくても、全力で楽しめた
実はわたし、映画『街の灯』はあらすじしか知らなくて、観たことがありません。それでもまったく問題なし。とてもわかりやすいお話で、とっつきやすい。それなのに文楽の要素は満載。エンターテイメントとしてすごく楽しくて、わくわくしっぱなしの2時間でした。あっという間。もう終わるの?って感じ。もっとずっと見ていたいし、ずっと見ていられる。
名場面がどう文楽になっていたか?あいにく名場面を知らないので比較できませんでした(笑)でも、それでいいのだ。
黒衣と出遣い、前半と後半で変わる景色
演出で印象的だったのが、前半は人形遣いさんが全員黒衣(くろご)で、後半は主遣いさんが顔を出す出遣い(でづかい)だったこと。
黒衣のおかげで人形に集中できたんだけど、勘十郎さんの表情や目配せを見ながら人形を観たかったというのが正直な感想。後半は出遣いだったので「わぁ!」ってなって、そのあと少しほっとしました(笑)
でも黒衣のおかげで本当に純粋に人形だけに集中できました、演出最高かよ。
いちばん笑ったのは相撲のシーン。人形がお着物を着ていないので、遣っている手元が丸見えで、それがものすごく不思議。勘十郎さんの手元をガン見できて、眼福すぎました。
いつもと違うお席で気づいたこと
今回は人形に集中するため、下手側の前方にお席を取りました。いつもは上手側の「太夫三味線大満足シート」(勝手に命名)ばかりなので、すごく新鮮。床から離れていると、人形と太夫と三味線がバランスよく混ざり合っていることに気づいた・・・。もしかして、それが本来のあるべき姿・・・?ですか?(笑)
まさかの勘十郎さん
劇場では令和8年熊本地震災害義援金の募金活動が行われていました。開演前の時間だけ演者の方も立たれると聞いていて、第二部の開演前に募金した際には勘介さんと少し言葉を交わし、すでにテンション上昇。一言お声がけ下さったのですが、その一言が笑えて(笑)和みました〜
まさか勘十郎さんは出てこられないのだろうな〜と思っていたんです。

第三部の開演前、イヤホンガイドを借りに行ったら・・・おられました😭ほんと無理すぎるぜ。しばらく遠くから眺めていたのだけれど、不審行動マックスすぎて、自分で自分が嫌いになるレベル。このままでは後悔するわ!と思い、とりあえずお手洗いへ。そしたらもう開演5分前のブザー!人が少なくなったタイミングで、もう一度募金箱へ向かい、ビクビクしながらお声がけ。「大好きです、応援してます」と、義援金のことも「よろしくお願いします🙏」と。静かに舞い上がりながら、なんとか伝えました。素敵すぎて死ぬかと思った。
まとめ
名作すぎた。最高だった。全部最高。
これはもっとたくさん、いろんなところでやるべきです!文楽ファンがめちゃくちゃ増える予感しかしない。東京でもやってほしいし、再演してほしいし、配信もしてほしい。欲張りだけど、もう一度観たい!

最終週に来てしまって、もう観られないのがつらすぎる。それだけが心残りの、やはり今日も最高でした!

