
人形だからこんなに「死ねる」んです・・・。初めての『源平布引滝』で、文楽の底力をあらためて思い知った夏の午後。しかも今回のお席は、床(ゆか)の真ん前という特等席。義太夫と三味線をたっぷり浴びてきました。
夏休み文楽特別公演ってなに?
国立文楽劇場(大阪・日本橋)で毎年夏に行われる恒例公演です。お子さま向けの第1部「親子劇場」、名作をじっくり楽しむ第2部「名作劇場」、そして夜の「Bunraku Summer Festival」の三本立て。まず今回わたしが観たのは第2部の名作劇場、『源平布引滝 九郎助住家の段』と『恋娘昔八丈 城木屋の段・鈴ヶ森の段』です。


地下鉄の日本橋駅には「国立文楽劇場」と書かれた案内表示があるので、初めてでも迷わず到着できます。7番出口方向へ。

劇場には、色鮮やかな幟がずらり。この幟を見ると「文楽を観にきたぞ〜!」という気持ちが盛り上がります。久しぶりの国立文楽劇場❤️会場に着いた時点で癒された(笑)

開演前のお楽しみ、ぶんらく弁当
売店で「ぶんらく弁当」を購入🍱浪花寿司をチョイス、税込1,200円、現金のみ。いろいろな種類が一口サイズで詰められていて、観劇前でも食べやすい。座席では飲食できないので、ロビーでいただきます。


筋書がかわいい
今回の筋書、表紙は赤・黒・黄色の格子デザインで、裏側は赤地に白い絞り模様。この模様、『恋娘昔八丈』のお駒ちゃんの衣装がモチーフになっているんです。気づいた瞬間、ひとりでにやにやしてしまいました。いや、ちゃんと筋書の中に答えは書いてあるんだけどね。それにしてもかわいい。


筋書の中の「登場するかしら」のコーナーも楽しい。演目で使われるかしら(人形の頭)が役ごとに紹介されていて、実盛は「文七」、九郎助は「武氏」というかしらなんだそう。役の性格によってかしらの種類が違うと知るだけで、人形の見え方が変わってきます。イヤホンガイドでも毎回かしらも教えてくれるけど、全部まだ覚え切れてないから、筋書きのこのコーナーはとっても便利👀

『源平布引滝』、人形だからこその凄み
九郎助住家の段は、初めて観る演目。人形ならではの生首が登場したりして、「これぞ文楽!」とテンションが上がりました。
そしていちばん心に残ったのが、小まんが死んでいる場面と生き返る場面。文楽の死体は、誰も触らないからほんとに死んでる。人が演じるお芝居なら微かにでも息をしてしまうところ、人形は完全に止まったまま、めっちゃ死んでる。人形だからこそ出せるリアルさがあるのだと、死体見ながらしみじみした。
床は千歳太夫さんから錣太夫さんへのリレー。聴きごたえがすごかった・・・。三味線では、人間国宝の鶴澤清治さんも途中交代されたけど少しでも拝聴できてうれしかった。人形は吉田玉男さんと吉田和生さんが・・・。見どころが多すぎて、目がいくつあっても足りませんでした。
床の真ん前、2席だけの特等席
今回のお席は上手側、床のすぐ目の前の少し小上がりになっている場所。なんとここ、2席しかないんです。実際には3列あって、座席数も複数あるんだけど、販売されているのは2席のみ。直前に空きを見つけて確保しました!ここまで床に近いお席は初めて〜⭐️
義太夫の語りと三味線の音を真横からガン見、名付けて「義太夫+三味線大満足シート」。床側のお席、好きです、おすすめ。
『恋娘昔八丈』は、お駒ちゃんがかわいい
正直に告白すると、後半は少し睡魔との戦いでした・・・(夏の午後、お弁当のあと。条件は揃っていた。)
それでも、お駒ちゃんがかわいかったことは、はっきり覚えています。筋書の模様にもなっていたあの衣装。かわいいは正義です。
まとめ

館内では、尾上右近さんの自主公演「研の會 FINAL」のポスターも発見。けんけんいた!ポスターを見るのは初めてで、思わぬところでテンションが上がりました。でも国立文楽劇場は日程的に難しく来られないので残念・・・明治座に参戦予定ですが、国立文楽劇場でも拝見したかった!けんけんポスターに持って行かれたけど、文楽見に来てるの、わたし(笑)
床前の特等席、ぶんらく弁当にかわいい筋書。人形の「死」に凄みを感じた、やはり今日も最高でした!

