「生首になっても、やっぱり美人。」舞台の上で首だけになった七之助さんの小万が美人で笑った。怖いはずの場面なのに、美人かどうか気になってオペラグラスで見るってどういうことよ。やはり今日も最高でした。

夜の部はこんな構成
華舞於河賑 俄獅子(にわかじし)と、通し狂言・盟三五大切(かみかけてさんごたいせつ)の二本立て。前半は吉原を舞台にした華やかな舞踊、後半はがらりと雰囲気の変わる生世話物。明るい廓の賑わいから、どんどん人が死んでいく物語へ。ばっさばっさ殺されていくから怖いは怖いんだけど、この振れ幅が歌舞伎だな〜って嬉しくなるわけよ。

華舞於河賑 俄獅子 — 美人ぞろいの吉原

幕が開くと、そこは吉原の仲之町(イヤホンガイドのような始まり方で笑える。笑)。まずは松緑さんに大注目。先月も素敵だったな〜なんて思っていたら、どんどんと役者さんたちが出揃って・・・芸者さんたちがずらりと並んで、もう美人ばかりに目がいってしまう。時蔵さん、米吉さん・・・と見ていって、ひときわ目を引く女形・・・「美人発見!」と思ったら、やっぱり辰之助さん🥹 先月の襲名披露に続いて、今日は麗しの女形。
獅子物なので途中に勇壮な獅子の踊りもあって、踊り終えた隼人さんが肩で息をしているのが客席からも見えました。軽々と踊られているかと思いきや、やはり息はあがるほどに大変なんだな〜って。
手古舞(てこまい)には子どもたちも。今月が歌舞伎座初出演という子もいて、可愛いのなんの。後ろで見守る親御さんたちは、内心ハラハラだったのかな。それともお師匠さんとしての厳しい目で見ちゃうのかな。
盟三五大切 — 感情が見えないこわさ


浪人の源五兵衛(松也さん)が、芸者の小万(七之助さん)に入れ込むんだけど、小万には三五郎(勘九郎さん)という夫がいて・・・という、今でいうストーカー的なお話。まぁ小万も源五兵衛の気持ちをうまく利用してお金を騙し取ってたわけだし、恨み買うのもしょうがない話ではあるのよね。後半は源五兵衛が次々と人を手にかけていくのだけど、これがこわい。怒り狂うわけでもなく、感情がまるで見えないまま殺していくのが、ぞわっとくるんです。
執念で見つけ出した小万を刺し殺して首を落として・・・好きな女性の生首を大事に抱えて連れて帰って、一緒に食事をするっていうサイコパスなシーンがあるんだけど・・・生首の七之助さんがこれまた美人でした(笑)なんだろう、とても張り詰めたシーンなんだけど、ふっと笑えることもあったりして、でも源五兵衛の心情を考えるとわけわからなくなって、感情がぐわんぐわん振り回されました。いまだにちょっとどういうことなのかちゃんと理解しきれてないかな〜。
通し狂言(ひとつのお話を最初から最後まで上演すること)で筋が込み入っているので、最近お気に入りのイヤホンガイドが大活躍。基本はつけておいて、どうしても生の声や音を味わいたい場面では外す、というのがわたしの楽しみ方です。たまに解説逃してるときある。笑
6列目、安定のドブ席
今回のお席は1階6列。前回が最前列だったので少し心配もしたけれど、6列目はちょうどいい。しかも下手側のいわゆる「ドブ席」(花道沿いのお席)で、花道が真横に見えて迫力満点。役者さんが通るたびにドキドキしました。スポットライトが当たるのがちょっとね〜、まぶしいんだよね〜。
幕間は花篭で子連れ狼御膳


今回、食事処「花篭」でいただいたのは、昼の部にちなんだ「子連れ狼御膳🍱」!夜の部なんだから「三五大切御膳」にしたらよかったかも!
ところでこの子連れ狼御膳なんだけども、これが三段重でボリューム満点。限られた幕間で食べきるのは、正直むずかしい。


しかもできればお手洗いにも行きたいじゃないですか。食べ終わってすぐにお席を立って、花篭内にあるお手洗いにいって戻ってきたらもう誰もいない(笑)みんな早すぎ!焦るわたしを見たスタッフの方が、「先ほど開演5分前のベルが鳴ったところです(汗)」と教えてくださいまして・・・ちょっとのんびりしすぎたかな。
まとめ

こわくて、美しくて、ちょっと笑えて、最後はお腹いっぱい。振れ幅たっぷりの夜の部でした。生首になっても美人、という体験はなかなかできるものじゃない。盟三五大切、機会があったら観てみてほしい一本です。(七之助さん、毎日死んでるのか〜。。。)
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