まねきの上がった南座を見上げた瞬間、「きたきたー!」とテンションが上がる。師走の京都、顔見世の季節。この年は十三代目市川團十郎白猿襲名披露、八代目市川新之助初舞台という、特別も特別な顔見世でした。
昼の部の記事はこちら → 當る辰歳 吉例顔見世興行 昼の部(2023年12月)
※実はこの記事を書いているのは、観劇から少し後。時間が経ったいまでも覚えていることだけを、正直に書き残しておきます!
襲名披露の顔見世

京都の年末の風物詩、南座の吉例顔見世興行。この年は市川海老蔵改め十三代目市川團十郎白猿の襲名披露と、八代目市川新之助の初舞台がかかるとあって、お祝いムードもひとしお。
夜の部の演目は『仮名手本忠臣蔵 祇園一力茶屋の場』、襲名披露『口上』(出演者が舞台にずらりと並んで襲名のご挨拶をする一幕)、そして歌舞伎十八番の内『助六由縁江戸桜』という豪華な並びでした。


2階ど真ん中から観る夜の部
この日のお席は2階のど真ん中。舞台全体を見渡せる、個人的にかなり好きな位置です。
一力茶屋の大星由良之助は仁左衛門さん。もうね、そりゃあ最高でしたよ。何回観ても「最高!」ってなるやつ。細かい記憶は薄れつつあるのに、「仁左衛門さんの由良之助は最高だった」という感想だけは、いまでもはっきり残っています。感想というより、もはや事実。そう、周知の事実。

そして口上。團十郎さん、新之助さん、仁左衛門さん、梅玉さん・・・と錚々たる顔ぶれがずらりと並んだ舞台は、その並びを見ただけで泣きそうになりました。どなたが何をおっしゃったかは、正直もう覚えていません(笑)でも「あの並びを見た」という記憶だけで、いまでも胸がいっぱいになります。
助六と、みんなで「成田屋〜!」
『助六由縁江戸桜』の團十郎さんは、とにかくカッコよすぎ。粋ってこういうことよね〜と、ただただ感服。
そしてこの日いちばん楽しかったのが、鴈治郎さんの通人里暁。客席に向かって「みんなでせーので大向こうを!」と呼びかけてくださって、いっせーのーで「成田屋〜!」。大向こうとは、客席から役者さんにかける「成田屋!」などの掛け声のこと。自分には一生かかってもかけられないものなので、みんなで言わせてもらえたこの演出、めちゃくちゃ楽しかったです。このエピソード、友人や知り合いに話すと100%羨ましがられる鉄板ネタです。
團十郎さんが鴈治郎さんに「変なやつだな」って言ってたのもツボ(笑)
幕間は和久傳の二段重
幕間のお楽しみは、四条河原町の高島屋で予約しておいた和久傳さんの二段重弁当。大好きなんです。
ただこれ、とても量が多い。2回ある幕間、どちらも食べ続けてようやく完食。フルマラソン完走くらい「走りきった!」みたいな状況。写真は・・・食べるのに必死で撮影していません。
まとめ
終演後、楽屋入り口のあたりにはマダム達が團十郎さんの出待ちをされていました。團十郎さんは拝見できませんでしたが、隼人さんが出られたのは見えました!ラッキー! かっこいいんだろうな〜と思いながら、わたしは夜の京都へ。
襲名披露の顔見世という特別な舞台を、昼夜どちらも観られた贅沢な12月でした。時間が経っても残っている思い出は「仁左衛門さんの由良之助は最高」「あの口上の並び」「みんなで成田屋〜!」です。記憶って、いちばんいいところだけ残るようにできてるのね。昼の部の染五郎さんの「なんじゃい」三連発もかわいかったけど。
まねきを見るだけでも楽しい話はこちら → 南座の顔見世まねき(2024年12月)

