親子で踊る連獅子に、気づいたら涙うるうる。初めての博多座で、八代目尾上菊五郎さん・六代目尾上菊之助さんの襲名披露という特別な夜に立ち会えました。やはり今日も最高でした。
昼の部の記事はこちら → 六月博多座大歌舞伎 昼の部(2026年6月)

八代目菊五郎・六代目菊之助の襲名披露ってなに?
襲名披露(しゅうめいひろう)は、役者さんが大名跡を受け継ぐお披露目の興行のこと。今回はお父様が八代目尾上菊五郎を、ご子息が六代目尾上菊之助を、親子で同時に襲名するという節目です。各地をめぐってきた襲名披露興行の、大劇場での締めくくりがこの博多座なんだそう。おめでたいムードが劇場じゅうにあふれていました。

荒木飛呂彦先生の祝幕に大興奮
席について顔を上げたら、舞台にかかった祝幕(お祝いの幕)が・・・なんと『ジョジョの奇妙な冒険』の荒木飛呂彦先生のデザイン!あのタッチで描かれた歌舞伎役者さんたちがずらりと並んでいて、唯一無二の迫力でした。じわじわきます(笑)

グッズ売り場でも荒木先生デザインのチケットホルダーとA4クリアファイルを見つけて、筋書(公演プログラム)とあわせてしっかり散財。
その後みつけた「スヌーピーの連獅子マスコットキーホルダー」、歌舞伎座で売っていてもいままで買わなかったのに、博多座で・・・しかも今日の演目が連獅子だなんて・・・欲しい。明日の昼の部でまだ売ってたら買おう。これはもうご縁としか言いようがない(ここまで言ってるのになぜか今日は買わない。なぜだ、わたし。笑)


夜の部の演目

ぢいさんばあさん
森鴎外の小説をもとにした新作歌舞伎。出張先で言い争いからかっとなってしまい同僚を殺めてしまう主人公の伊織と、残された妻のるん。1年で終わるはずの出張だったのに、そんなこんなで気付けば37年も離れ離れになってしまうという夫婦のお話です。初演は終戦から6年後だったそうで、当時、離れ離れになった夫婦がどれだけいただろう、そしてその方々がこの物語をどういうお気持ちで観劇されていたのだろう・・・と想像すると、目頭が熱くなります。
37年後、ようやく再会した二人。歳をとってもどうしても直らない旦那さんの「鼻を触る癖」、それを見たるんが、37年の時間をすべてすっ飛ばして、37年前のそれまで通りの夫婦にふっと戻る。言葉よりも雄弁なあの瞬間に、泣きました。 菊五郎さんの伊織も雀右衛門さん演じるるんも、若い頃も歳をとってからも、ずーーーーっとチャーミングで、すっかり大好きな二人になりました。
男伊達花廓
團十郎さんの男伊達(粋でいなせな江戸の男)が、とにかくかっこいい。見得(みえ・キメのポーズ)はもちろん、ちょっとした仕草も佇まいも、すべてにおいて粋。あまりのかっこよさに後ろのお客さんが思わず歓声をあげておられました。そのくらいカッコよかった。
口上
口上(こうじょう)は、裃姿の役者さんが舞台に並んでお祝いの挨拶を述べる一幕。雀右衛門さん、彌十郎さん、團十郎さん、そして菊之助さん・菊五郎さん親子が並んでの口上。團十郎さんが語った、海外公演の際に秋刀魚を持ち込んで焼いた話には、客席も爆笑。六代目菊之助さんは声変わりの真っ最中のようで、発声に苦戦しながらも一所懸命。がんばれー!と心の中で応援していました。團十郎さんのご子息・新之助さんと菊之助さんが同い年で、親同士も同い年だそうで、なんだか運命を感じますね。
連獅子
能の「石橋」をもとにした、親子の獅子の舞踊。親獅子が仔獅子を谷に蹴落とし、這い上がってきた子だけを育てるという故事を踊ります。本物の親子が踊るからこそ、一つひとつの場面を二人の関係に重ねてしまって・・・歌舞伎のお稽古も、きっとこの連獅子のように厳しくも愛情深く指導されているのかな、なんて思いながら観ていました。

仔獅子の菊之助さんが、とにかくご自身の動き全てに自信が満ち溢れていて、見ていて気持ちがいいくらいお見事。もちろん悩みながらという部分もあるのかもしれませんが、舞台上ではそんなことも微塵も感じさせないすばらしいプロ根性で、感動しました。そして親獅子の菊五郎さんは、以前歌舞伎座で観た仁木弾正(悪役)と同じ構図で花道を歩く姿に、また震えた。クライマックスの毛振り(長い毛を豪快に振り回す見せ場)は、もう最高x1000でした。
まとめ

初めての博多座は、座席もゆったりしていて、満員御礼でも圧迫感がなく、とても観劇しやすい素敵な劇場でした。幕間にいただいた「祝・襲名披露 特別幕乃内弁当」も、お祝いムードたっぷり。蓋を開けた瞬間にわー!ってなりました。

襲名、世代交代、そしてご縁づくし。盛りだくさんの夜の部でした。同い年の二人(菊之助さんと新之助さん)がこれから並んで活躍されるお姿を拝見できると思うと、これからの歌舞伎がますます楽しみでなりません。近いうちにまた菊五郎さん拝見したいな(え?やっぱりそっち?笑)
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